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地球近傍に、安定(?)した「反物質」!?

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起床して暫くは、ベッドの中からラジオを聞きながら、ウォームアップをします。
(※まだ、夏期モードなので仕事は10~11時くらいから始めます。いつもは8時~8時半が始業。)

ラジオ番組が扱っているのは、科学
で、今日、そこから流れてきたのは、

磁気圏に捉えられた反物質(スウェーデン語)

要旨だけ抽出すると、

ロシア・ドイツ・スウェーデンが共同運用している、PAMELA (Payload for Antimatter Matter Exploration and Light-nuclei Astrophysics)が、地球磁気圏で、かなりの量の、安定した反水素原子イオン(antiproton)を見つけた

と言うもの。

一瞬、絶対にあり得ないと思いましたが、私が知っている磁気圏に普通に存在する水素原子イオン(=陽子, proton)

○運動エネルギーで1 keV程度、
○太陽風起源と地球起源の両方が混じっている

で、上記のPAMELAが見ているMeV/GeVとは、エネルギーはもちろんフラックスも全然違うもの。

10GeV以上だと、太陽風起源とするにはちょっと厳しい高エネルギー領域なので、宇宙線起源と考えるのが妥当な線。…でも、100GeV以上なら大気圏に直接impingeするし、10GeV程度なら極域以外では大抵はじき返されて磁気圏には侵入してこれない(磁気圏の硬さ, magnetic rigidityのため)。

PAMELAが見ている(と思われる)、反水素原子イオンのエネルギーは、80 MeV~190 GeV(※ただし、検出器のエネルギーレンジ)

100 MeVクラスの(銀河系起源)宇宙線はまず、太陽系に入ってこれないので、そうすると太陽風起源

そもそも、

100 MeV~10 GeVのエネルギーを与える、太陽系に存在する”自然の”機構って、太陽大気(corona)中の電磁気作用のみ

だけなのですけれど。。。ってことは、太陽風起源なのかな~?

うーん、プレスでなく、script/descriptionを見つけてよく読んでみなければ。
データも示されていなければ、具体的な数値さえ、このプレスでは発表されていません。
フラストレーション、たまるぞ!


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電波バースト「組曲」

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さぁ、物理の時間です!(嬉)

前の記事でオーロラのことを書きましたが、まずはその総括から。
そして、結果としてのオーロラではなく、そのトリガーとなったCME(Coronal Mass Ejection)に重心を置きます。

CMEは、以前に、磁気を巻き込んだ大きなエネルギーの塊なんて表現してしまいましたが、高エネルギーのプラズマ”塊”が、太陽磁場を伴って放出されたと言うのが、定性的ですが、より科学的な表現です。

高エネルギー(=高速)のプラズマが磁場を横切っていくわけなので、CMEには大抵、サイクロトロン放射による、電波バーストが伴います。
今回のCMEでも、電波バーストは(地上観測によって)観測されています。


*** おまけ・おまけ・おまけ ***
ただ、この電波バースト、地球の夜側でも観測されました。1958年にも同じような、夜側での電波バースト観測がありましたが、ロジック的には電波バーストは昼側でしか観測されないはず。1)月で反射されたのが夜側に達した、とか、2)異常状態になった電離層が伝搬ダクトの役割を果たした、など説はありますが、まだ解明はされていません。


…話を元に戻し、、、電波バーストは、CMEだけに限りません

オーロラも、高速荷電粒子(運動エネルギーは~数keVに達する)の磁場との相互作用なので、サイクロトロン放射を伴うことがあります。特にこれは、Auroral Kilometric Radiation(AKR)と呼ばれています。

また、磁気圏、特に内側にある放射線帯は、太陽活動に同期して変動することが多く、結果、放射線帯から高エネルギープラズマが地球の極域に降ってくる(※ここは、物理を語ると長ーいし、理論も諸説さまざまで確立していないので、ざくっと触るだけにしておきます)ので、それらが地球磁場中での運動で、電波バーストを伴ってくることがあります。


今回のCMEに始まった、電波バーストの連鎖
…と言うより、自然が作り出す、電波バーストと言う、組曲のことを色々と考えていたら、それだけでとても楽しい気分になりました。

ところで、ついで&最後に。

LOFAR (The LOw Frequency ARray)

と言うプロジェクトがあり、キー・オブジェクトとして、CMEに伴う電波バーストも扱うことになっています。
分野横断の点で、もしかしたらちょろっと関わる機会があるかもしれないので、お勉強しておこうと思っています。


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ガンマ線の瞬き

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以前のブログに書いた、Terrestrial gamma-ray flash (TGFs)(Wikipedia/Enより)について、です。

その名の通り、地球起源のガンマ線の瞬きで、瞬きと言われているくらい、一瞬(=~数ミリセカンド)で起こる現象です。

最初にTGFsが論文により報告されたのは、1994年。
Compton Gamma-Ray Observatory (CGRO)衛星に搭載されている検出器 The Burst and Transient Source Experiment (BATSE)が、検出器が地球に向いているモードで取得された、データを解析して見つけたものでした。

そして、ガンマ線の瞬きのソースは、どうも、雷活動と関係しているとその後の観測、データ解析で分かってきました。

最近、Fermi衛星に搭載されている Gamma-ray Burst Monitor(GBM)(検出器)で、地球起源の、ポジトロン(陽電子)が検出されたと論文(※)で出ましたが、その生成過程は

雷雲の中(?、かどうかは実はまだ不明)で、非熱的に(=電位差によって)加速された電子が制動放射によってガンマ線を作り出す。そのガンマ線が十分なエネルギー(例えば、~10MeV)を持っている場合に、対生成で電子・陽電子を作りだし、電荷をもつこれらの粒子は地球磁力線に巻きついて磁気圏まで出て行く。磁気圏に出て行った先でFermi/GBMに捕まった陽電子が、それだと考えられている

と言うのが、説明です。

※Briggs, M. S., Connaughton, V., Wilson-Hodge, C., Preece, R. D., Fishman, G. J., Kippen, R. M., et al. (2011). Electron-positron beams from terrestrial lightning observed with Fermi GBM. Geophysical Research Letters, 38(2). doi: 10.1029/2010GL046259.


まぁ、この話、物質(電子)と反物質(陽電子)が、この世に等しく存在しないことに対する解答にも何にもなっていませんが、反物質を作る(=それに見合ったエネルギーを作り出す)機構が、地球上にも存在する点で、私個人的にはおおいに興味がそそられるところです。

だから、最近、雷を見たり、遠雷を聞いただけでも、検出器・観測器群を飛ばしたい!と、切に思います。まぁ、しばらくは、物理プロセスのシミュレータを作って仮想実験するだけで満足するしかないですが。

Youtubeで、火球とスプライトというクリップを見つけましたが、この後半に出てくる、スプライトももしかしたら、ガンマ線瞬きの候補かも、と考えられています。

地球上にだって、まだまだ謎は多いですよぉ~。


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宇宙論

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・・・と言っても、私は「素粒子論的」宇宙論は門外漢。
と言うわけで、ここでは、プラズマ宇宙論なるものを取り上げたいと思います。

まずは、このプラズマ宇宙論と、ブログテーマである「(北)スウェーデン」との関係。
大いに有ります!

プラズマ宇宙論を最初に提唱したのは、Hannes Olof Gösta Alfvén(ハンネス・オーロフ・ヨスタ、アルヴェーン)。スウェーデン人プラズマ物理学者です。また、プラズマ物理学分野で唯一、ノーベル賞を受けている物理学者でもあります。
(※Alfvénをアルヴェーンと読む方がいますが、これは間違い。fvはスウェーデン語の古い表記で、fvでヴの発音をとります。もしくはfはvの前駆的なもの)

また、宇宙におけるプラズマ現象ー例えば、オーロラの発現と、それを引き起こすプラズマ粒子風=太陽風の関係を最初に、実験的に提唱したのは、Kristian Birkeland(クリスチアン、ビルケランド)。ノルウェー人物理学者です。彼は、その実験装置terrella(”小さい地球”という意味があります)で有名であり、実験装置のレプリカ(?)は、トロムソ大学博物館に展示されています。


***
以上前置きで、以下本題。

プラズマ宇宙論は、(私的見解では)ビッグバン理論の対極ではなく、さらには、宇宙マイクロ波背景輻射を全然説明できませんが、

宇宙(初期)磁場との相互作用。その相互作用の結果としての、例えば大局的スケールでは、銀河の回転曲線問題(小さいスケールでは、太陽系の角運動量分布問題)、メソスケールではプラズマ・フィラメントやジェットの形成、小さいスケールではへリオスフィア(太陽系圏)と星間空間の相互作用、etc etc.

などの現象を、スケーラブルに説明することが出来ます。

特に、私がずっと興味を持っているのは、磁気の起源。宇宙はもとより、私達の地球の「磁場」の起源さえ分かっていないのですから、本当に、磁気って不思議でもの凄く惹かれます。

従って、以前にちょっと取り上げた、SKA, The Square Kilometre Arrayプロジェクトの、一テーマ宇宙磁場(cosmic magnetism)には大いに関心があります。

SKAにおける宇宙磁場の検出は、ある波長(λ)をもつ電波がFaraday rotation(ファラデー・ローテーション)を受けて偏光(偏波)することを利用します。
偏光の角度は、λの2乗に比例し、さらに偏光計量に比例しますが、この偏光計量は、

電波の進行方向にある、プラズマ密度と進行方向に”平行な”磁場の全行程積分値

で与えられます。これは、プラズマ物理学である電磁気的(electromagnetic)プラズマ波動の分散関係を求める式からも得られます。

…どうです!原理は非常に簡単ではありませんか!
ただ、磁場は一成分だけ。電波進行方向に横たわるプラズマがどういう分布をしているかがunknownだと、偏光を見ても磁場を見ているのか、プラズマ分布をみているのか分からないという難点はあります。


***
7月上旬に、ヒッグス粒子に関するプレスがあったようですが、そのことで研究滞在先(日本)の研究室のスタッフとちょっと議論をしました。

●ヒッグス粒子が見つかるのが嬉しいか、それとも、ヒッグス粒子は結局見つからなくて、質量起源探索は白紙に戻り、素粒子業界は新たなる理論を構築する必要に迫られる。

●そもそも、質量の起源が分かって、何が楽しい。(と素粒子屋さんに言ったら、きっと怒られますねぇ~:苦笑)

私個人は、物理屋なら、真理の探求はやめてはいけないと思いますが、自然の摂理にもちゃんと目を向けるべき、だと常々思っています。自然の摂理(現象という形をとる)に注目すると、演繹的にしか物理が出来ませんが、私にはそれが合っているし、それを行う過程がまた楽しくあります。

…そういうわけで、私は、プラズマ宇宙論的方法論支持者であります。


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地球近傍宇宙探査ー夜光雲

科学(自然)

Astrophysics(天体物理学や宇宙物理学)やAstronomy(天文学)をやっている方達にしたら、

宇宙=Spaceの、定義

ってどうなっているのでしょうか?

私のようなスペース物理学をやっている人間にしたら、

弱イオン化しているだけとは言えプラズマ状態が無視できず、磁気圏の底にあたる電離圏(~80-100km)あたり

から、もう立派な(?)「宇宙」です。

電離圏の下は、中間圏(60~80km)と呼ばれていますが、(地球近傍)宇宙との圏界領域、とでもいいましょうか。。。


さて、この中間圏でここ最近注目を集めているのが、

夜光雲(やこううん)

と呼ばれる現象。

総合的・科学的な諸説はありますが、大気物理学的には何にもまだ分かっていない現象です。まぁ、ここはin-situ観測が全く出来ないところであるので、検証なり実験なりともなし得ないわけでして。
(※測深ロケットによる観測は出来ますが、測深ロケットのターゲット域における滞在時間なんて数分足らずですからねぇ~)

それでも、地球物理惑星科学系の研究者は、衛星を使って何とか観測してやろう!と頑張っています。
(データ解析を工夫して、状況証拠を積み上げて理論を構築する、と言うわけです。)

その最新観測衛星は、

AIM, Aeronomy of Ice in the Mesosphere

です。高度600km、極周回(ほぼ)円軌道を1周90分近くで周回衛星です。
衛星搭載の観測機器は上記サイトで確認してくださいね。

夜光雲の例はここから見られます。

実は、この中間圏雲は、夏極にあたる半球の緯度50°~70°あたりで統計的によく見られていて、スウェーデンでも当然。ただし観測報告例は中南部以南に限られている状況です。私も夏は、夫の実家(スウェーデン中部)に長期滞在するので(今も、実は滞在中)、写真こそ撮っていませんが、何度か目撃はしています。
(※ただし、宵っ張りでないので、見られる時間帯に起きていることは実は稀だったりします:苦笑)

なお、私のこのブログのHOMEには、私自身が撮影した真珠母雲(しんじゅぼうん)をwall paperとして使っていますが、こちらは同じ中間圏雲でも「冬限定」(※しかも、オーロラより稀な現象)。

…夜光雲に戻り。夜光雲はまだまだ研究過程にあるものの、その形状はほぼ決まった形であることが多いので、中間圏の大局大気循環に関わる重力波(相対論でいうところの、重力波ではないので、あしからず!)が関係していると言うのは、割合一致した見解になっています。

そろそろ最後にします。
科学云々は抜きにしても、夜光雲はその出現時間の関係で、かなり幻想的様相をしています。
夏、緯度50°を越えたところにお越しの際は、夜日が沈んで1-2時間した頃の空を眺めてみてください。
人生は変わらないかも知れませんが、何気に見ていた空への思いは何か変わるかも知れませんよ。

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