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太陽風の預言者と、銀河初期磁場

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久々に、物理の話、です。

最新Natureで、私好みの記事が出ていたので、それについて。

Generation of scaled protogalactic seed magnetic fields in laser-produced shock waves(リンク)

protogalactic seed magnetic fieldとは、原始銀河”種”磁場そのままですが、

銀河の磁場は、どうやって形成されたか?というのは、宇宙物理学の中でまだ答が出ていない問題

であります。

そもそも、銀河磁場がどれくらいの大きさなのか、まだ誰も実際に測ったことがない(ただ、地球の磁場よりずっと小さいはず。でなければ、差分として計測できるはず)ので、どうやって、”種”磁場を想定し、それがどの時間スケールで成長して、どの程度の磁場になるか?なんて、これまではモデルを仮定して理論的に算出するにとどまっていましたが、上記論文は、

最新のレーザー物理を駆使して(=流体としてのプラズマの、スケール冗長性/scalabilityや不安定性をコントロールする技術を使って)、極小磁場(10^-21 gauss)中に衝撃波を作り出すことで、pile-upなどの効果で種磁場を成長させる、「実験室実験」

を扱っています。

上述したように、プラズマにはscalabilityという性質があるので、

実験室で作られた銀河の種磁場とその成長は、そのままスケールを拡大しても適応できる

わけで、(私にとっては)非常に面白い記事となります。


***
さて、もう一つの用語

論文アブストラクトの中に、Biermann Battery Effectという用語が出ていますが、ビアマンの電源効果で、これは正直何のことか分かりません。従って、論文本文を読む必要がありますが、

このビアマンは、彗星の尾の観測から、太陽風(=荷電粒子から成る)を予測した人物と同一人物であります(宇宙プラズマ物理を学んだ者は知っているべき人物です:笑)。

彗星の尾といったら、よーく観察してみると、2つに分かれているのに気づくかと思いますが、一つはダストなどの中性粒子から成り、太陽と彗星を結ぶ線上にはなく、もう一つはプラズマなどの荷電粒子から成り、太陽と彗星を結ぶ線上にあるわけです。

太陽風も荷電粒子から成るから、彗星の荷電粒子と相互作用が可能なわけです。


***
太陽風と言えば、最近オーロラ関係で、記事1記事2記事3と立て続けに3つの記事を書いていますので、そちらを参照していただけると幸いです。



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5年ぶりの「大」磁気嵐・・・のはず

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多分、ネットを通じてもうご存知の方々もいらっしゃるかと思いますが、

SpaceWeather.com

で、

1。M9-class(※)のコロナ質量放出(coronal mass ejection,CME)が太陽表面で観察された。
2. 最大太陽風速度が2200 km/sに達した(※2)。
3. そのCMEが、地球磁気圏にヒットしたのが、ノルウェー・ローフォーテン(Lofoten)にある地上観測装置で確認された。

と、5年前の大CMEの時と、似た状況が報告され、オーロラ・ウォッチャーはいまかいまかとオーロラ出現を待っているはず。

※:ある周波数の電磁波(この場合、X線)が、どのくらいの量観測されたかを、”クラス分け”したもの。絶対値よりも相対値の意味づけに重きが置かれているクラス分けで、M9クラスは、観測頻度としては高くない(=稀。ただし、太陽活動状況にもよる)。

※2:平均的な太陽風速度は400 km/sなので、5倍強にのぼることが伺える。


・・・ちなみに、キルナの上空はまだ静かです。

つまり、大CMEに伴う大磁気嵐になるとしたら、むしろ、キルナよりずっと緯度の低いところでの方が、オーロラが見られるはず

端的に言ってしまうと、ストックホルム、オスロ、ヘルシンキでの方が、オーロラが見られるはず

それから、、、今日のキルナは、

マイナス20度よりさらに気温が下がっている

ので、そう頻繁に外には出たくないんですよねぇ~。




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○○で振り返る2011年

自然科学

タイトルで○○とアノニマス(anonymous)にしましたが、今年は色んな方面で振り返り、直視して、教訓等を来年へと引き継いでいくべきことが多々あったように思われます。

まずは、未曾有の東日本大震災
連日テレビに釘付けになってしまい、スウェーデンという地理的障壁のために直接母国・日本に何も出来ない歯痒さをひしひしと感じました。いてもたってもいられなくて、義援金とか寄付をスウェーデンの機関を通じて行いましたが、どうしても、直接行動とは異なってしまうので、常に「まだ、役に立っていない」という感覚がつきまとったものです。

その後、7月、12月と、仕事で日本に滞在する機会があり、その度に少しずつ立ち直りかけている日本(特に、震災と原発で一番被害を被った人々)を目の当たりにして、「あぁ、良かった…」と心を打たれたものです。
折しも、12月の日本滞在(京都)中に、清水寺の今年の一文字の、

(きずな)

を目にし、まさに人というのは、有形無形でつながっていることを感じたものです。(”実感”するには個人的にまだまだアクションが少ないのですが・・・)


***
閑話休題。
***


さて、今年を振り返ると言えば、職業柄どうしても、科学の話題に目がいってしまうのですが、、、(そして、以下、時系列に必ずしも沿ってはいません)

●東日本大震災の引き金となった、大地震と津波。その「痕跡」が高高度大気中の電子密度の異常変化として検出される。(地球物理・高層大気物理)

●ニュートリノ振動(μ→e)の兆候をT2Kが同定。(素粒子物理)

●ニュートリノ振動(μ→τ)の実験をやっているOPERAが、「ニュートリノが光速を超えるような実験結果がでた」と発表。(素粒子物理)

●上記と、ベテルギウス(地球から640光年に位置する)に超新星爆発の兆候、の2方向の要請からニュートリノ望遠鏡が本格的なスタディ・フェーズへ。(天体物理、ニュートリノ物理)

●Kepler衛星により、habitable zoneに存在(=液体の水が存在可)する太陽系外惑星を発見。(天文学、惑星科学)

●CERNがHiggs粒子の兆候を発表。(素粒子物理)

●ノベール財団が、ある超新星爆発型と宇宙の膨張速度から帰結される「ダークマター・ダークエネルギーの存在」に関する理論的研究に、ノベール物理学賞を授与。(天体物理)


…科学と言っても、ほとんどが物理科学となって偏っていますが、さらに、最近は(一応専門としている)地球物理系高層大気・宇宙プラズマ物理よりも、低エネルギー側の、高エネルギー天体物理(※矛盾したようなネーミングですが、このようにしか言い様がなくて・・・:苦笑)をやっているので、アンテナにかかるのはどうしても興味と一致か似たところになるのは否めません。

さて、ここから来年へつないでいく教訓を引き出すとなると、、、


物理科学の世界で、パラダイム・シフトが近いのかもしれない。
詳細に拘らず、大局的な視点で物事を見る必要がある。
そのために、常に広い視野で多くのことを見聞しよう。



とでもなるでしょうか。。。

最後に、パラダイム・シフトを説明するのによく使われる隠し絵を紹介して、この記事を終わりにします。

さて、あなたには隠し絵が何に見えたでしょうか?


隠し絵1
隠し絵2
隠し絵3



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宝石や金(gold)やら…

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先に言い訳をしておくと、自分が女性であり、宝石や貴金属に目がない、訳では決してない!んです。


偶然にも時期を同じくして、2つ、隕石の話題。

1. Cosmic Fountain of Crystal Rain

2. Guld Kommer Antagligen Från Meteoriter(スウェーデン語、ただし、原著論文あり:Willbold et al. The tungsten isotopic composition of the Earth’s mantle before the terminal bombardment. Nature, Vol.477 (2011) doi:10.1038/nature10399)


前者は、NASAのスピッツァー宇宙望遠鏡(赤外線)が、オリオン座のHOPS-68と呼ばれる、原始星(protostar)形成領域で、極ジェット(polar jet)中で熱せられ、星系の冷たい領域で再結晶化した、ペリドット(原石は、かんらん石)から出る光を検出した、と云うお話。

かんらん石は、地球上でもありふれた石ですが、宇宙で、星系が誕生し、さらにそこに惑星系が形成される時に、惑星間微小天体(もしくは、物質。したがって、隕石の素)として作られているはずだと言う説を、この記事は裏付けるものとなります。
…ただし、宇宙で、かんらん石がどれだけの純粋な、そして”手頃な大きさの”ペリドットになるかは、結晶構造に必要な重力環境がどれほどあるか?に依ってきます。


後者記事は、要約すると、金(gold)は”どこ”からやってきて、”どのように”地球上で集積していったか?となりますが、”どこ”という質問は割合簡単で、太陽よりずいぶん重い星は超新星爆発として最期を迎えることが分かっていますが、この時、星の核近くでは核融合反応によりが生成されるところまで進みます。一方、星の(ふきとばされつつある)大気では、内側からの衝撃波により鉄より重い元素が生成され得ることが理論的に示されています。
…つまり、星が、原始星をつくる星間ガスの中に含まれていて、そこから鉄より重い元素は星系・惑星系の構成要素、つまり、隕石の素にもなる、という訳です。

”どのように”と言う質問は、原著論文の中で示されていると思います。(※私は、まだ読んでいません。しかも、著者達は、地質学者達なので、地質学の専門は私には理解できないところです。)


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女性物理屋さんの事情 in Sweden

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今、スウェーデンのウプサラ(Uppsala)というところで、国際会議・ジェンダー科学が催されているようで、それに便乗して、朝のラジオ番組で

Få kvinnliga fysiker(※スウェーデン語です)

意訳すると、女性の物理屋さんに、もっと機会をのインタヴューやレポタージュがありました。

※ちなみに、見出しの写真、なぜか湯川先生です

リンクの記事を要約すると、スウェーデンでは最近、

生物、化学、医学生理学の分野で、学位をとる学生の70%が女性であるのに対して
(天文学を含む)物理の分野で、学位をとる女性は30%にとどまる

と云う統計があるそうです。うーん、私が学生だった時分や、日本の状況を考えてみると、30%は十分に多い気がしますが、、、。
それはそうと、とにかく、この数字はジェンダー研究者達にとって、

物理の世界では、何らかの”差別”が女性に対して働いている

となるようで、その差別生来的な遺伝によるものなのか、女性をとりまく環境の中に要因があるのかを、多分、この国際会議では話し合われるようです。

この件で、夫(同じく物理屋)と話し合ったところ、

生物、化学、医学生理学の分野では、逆に、男性に対して”差別”傾向がみられるのではないか!?

となったのですが、この”逆”差別はなんかあまり、問題にならないようです(何故なんだろう???)。


***
私見ですが、私の周りの、物理(や物理が好きな)男性は、

decomposition→reconstruction→analysis→induction

というプロセスに非常に忠実で、物理のまさに「王道」を踏み外すことがありません。
一方、女性は(私も含めて、ですが)、上のプロセスのどれかを直感(良い言葉に直せば、総合的判断)によって飛ばす傾向があるように思います。

…これが、女性の生理(生来の”理”)に依るものなのか、そもそも上記そのものが私の「直感」なのかは、私には判断出来ませんが、上記プロセスの訓練後天的にも出来るもの、即ち、女性の物理屋さんは”生まれてくる”ものではなく”作ることができる”ものだと、私は思っています。


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